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多くの人が見守る中、彰義隊墓所で盛大に営まれた150回忌法要
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苦縁―東日本大震災 寄り添う宗教者たち
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いのち寄り添う ― 大震災 苦の現場から

支える思い 12(1/3ページ)

2012年8月23日付 中外日報
釜石仏教会の一周忌法要には多くの遺族も参列した(岩手県釜石市の釜石大観音で)
釜石仏教会の一周忌法要には多くの遺族も参列した

法要は区切りになるが

国の支援は現場とズレ

岩手県の釜石湾に張り出した鎌崎半島の山上に、高さ48・5メートルの白亜の「釜石大観音」がある。1970年に曹洞宗石応禅寺によって建立され、胸元に魚を抱いたその「魚籃観音像」の内部には拝殿などが備わっている。

明治三陸地震津波で亡くなった2万2千人、昭和三陸地震津波の3064人、1960年のチリ地震津波の142人の犠牲者の霊を供養する意味も込められたこの施設で、今年3月17日午後、釜石仏教会合同の震災一周忌法要が営まれた。

個別寺院では檀家中心になるが、菩提寺を持たない人や一家全滅で状況把握もできない家族なども含め、全犠牲者を供養するためだった。超宗派の法要はもう実績を重ね、会長の日蓮宗仙寿院、芝崎惠應住職(55)も、自坊でこれまで使わなかった曹洞宗向けの木魚を使用するようになっていた。

冷たい雨が残雪に降りかかっている。山上からは、広い湾内を航行する大型貨物船、そして1年前にもろくも倒壊した巨大防波堤の残骸が、途切れ途切れに鉛色の海面から突き出ているのが見えた。石油ストーブが並んだ拝殿には、僧侶20人余り、遺族ら100人ほどが参列し、高齢者が目立つ。事務局長の曹洞宗吉祥寺、高橋英悟住職(39)が進行役を務め、曹洞宗御詠歌講の女性たちの声が響いた。