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苦縁―東日本大震災 寄り添う宗教者たち
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いのち寄り添う ― 大震災 苦の現場から

支える思い 3(1/3ページ)

2012年7月12日付 中外日報
震災から1年以上が過ぎても一面の廃虚が広がる市街地。残った建物も残骸だ(岩手県大槌町で)
震災から1年以上が過ぎても一面の廃虚が広がる市街地

地元和尚の覚悟と気迫

現場で生まれた連帯感

東京の浄土真宗本願寺派安楽寺、藤澤克己住職(51)は自死問題への取り組みを、本当は「社会を良くする運動・自死対策部会」でありたいと位置付ける。他にも「貧困対策部会」などがあって、社会全体を覆う「苦」にそれぞれの現場で対処しながら連携する必要があるという認識だ。

だから被災地での寄り添いも、仮設住宅での孤立による自死を防ぐことにとどまらない。各地で「お茶の会」などが開かれ住民同士の交流も深まっているが、藤澤住職はさらに「世間話にとどめるのではなく、もっと深い奥にあるものを吐き出してもらいたい」と願う。「生きていて良かったと思える世の中」を目指す視座から、悲しみを共有するのだ。

そこでの住職の姿勢は自死対策でのそれと同様、「その人自身のペースに合わせて見守り伴走する。決して引っ張ったり追い立てたりせずに」だ。

例えば自死遺族の集いでは、毎月の会を2、3回重ねて、人によっては10回も参加して初めて「先立たれた苦しみ」が出てくる。一度話しても、次回には黙り込むこともある。

具体的内容は明かせないので抽象的になるが、「安易に励ましたり、同じような境遇の別の人の話をすることも相手を傷つけます」。そして決して人ごとではなく、「つらいこの時代、この世間を共に生きる仲間として互いに認め支え合う気持ち」を重視している。