ニュース画像
叡南覚範門主からおかみそりを受ける参加者
主な連載 過去の連載 エンディングへの備え
苦縁―東日本大震災 寄り添う宗教者たち
購読のお申し込み
新規購読キャンペーン
紙面保存版
トップ> いのち寄り添うリスト> 支援の広がり 14
いのち寄り添う ― 大震災 苦の現場から

支援の広がり 14(1/3ページ)

2012年5月12日付 中外日報
「ワンファミリー仙台」の事務所では、夜遅くまでスタッフが仕事をしていた(仙台市で)
ワンファミリー仙台

顔と名前を覚え合い

手渡しで励まし合う

激しい揺れに見舞われた昨年3月11日、雑居ビル1階にあるNPO「ワンファミリー仙台」の事務所には22人のスタッフ全員が集まった。

全ライフラインが停止する中、懐中電灯で一晩を過ごした。翌12日に電気が通じると、「よし、やろう!」と理事長の元神職、立岡学さん(38)の掛け声で動き出した。立岡さんの自宅も全壊し家族全員が避難していたが、この時点では沿岸部の津波被害の様子ははっきり分からなかった。

仙台駅が封鎖されるなど交通もマヒしたままで、多くの帰宅困難者や避難者があふれていた。小さな配給所でバナナ1本をもらうのに長蛇の列ができている。行き場のない人々が集まる市役所や県庁でお知らせのチラシを配り、備蓄米2トンを使って事務所前での炊き出しから始めた。野宿者支援で熟練した作業。

「食事をするのは3日ぶり」と話す人もいた。何日も続き、日に最高250食を調理したが、予想外だったのは不足分の提供を呼び掛けたところ、被災を免れたサラリーマンらが出勤時にビニール袋に入れたおにぎりを続々と持ち寄ったことだった。全部で数千個にも。利他の行いが立岡さんらの励みにもなった。4月までに配食は計2万6575食になった。