ニュース画像
多くの人が見守る中、彰義隊墓所で盛大に営まれた150回忌法要
主な連載 過去の連載 エンディングへの備え
苦縁―東日本大震災 寄り添う宗教者たち
購読のお申し込み
新規購読キャンペーン
紙面保存版
トップ> いのち寄り添うリスト> 支援の広がり 12
いのち寄り添う ― 大震災 苦の現場から

支援の広がり 12(1/3ページ)

2012年5月8日付 中外日報
商店街も復興には遠い。ベニヤ板を打ち付けた店もあり、人通りはほとんどない(宮城県石巻市で)
商店街も復興には遠い(宮城県石巻市で)

社会が歪めば心も歪む

「誰でも」排除から支えへ

北九州・東八幡キリスト教会の奥田知志牧師(48)が「ホームレス支援全国ネットワーク」の仲間と昨年3月に訪れたのは宮城県牡鹿半島。蛤浜という、二つの岬に挟まれた元はのどかな小集落だった。8世帯22人のうち2人が亡くなり、道路は寸断されて陸の孤島状態。辺りは瓦礫で完全に埋め尽くされ、住民はその上に家から流れ出た畳を敷いて通路にしていた。

そこに徹底的に寄り添った。復旧作業にめどが付いても生活の糧がない。そこで、住民を支えて8月からカキの養殖事業を始めた。大きな漁港が復興しても取り残される心配があったからだ。

一方で各被災地で活動するNPOや生協とで、大規模支援を継続するための2億円近いファンド「共生地域創造財団」を設立し、そこからカキいかだ、船、作業小屋の費用を支出した。住民と共にホームレスで困窮していた若者たちを雇用して働いてもらった。その顔が輝いていた。

地元の人たちと運営をめぐり徹底的に話し合う。採れたカキは傘下の生協を通じて販売ルートに乗せた。月2回、北九州から行って海辺に張り付く牧師は「僕はカキ屋のおっちゃんです」と笑う。「絆とは双方向、相互性が不可欠」「決して見放さない」という持論の具体的な形だ。