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いのち寄り添う ― 大震災 苦の現場から

原発さえなければ 15(1/3ページ)

2012年4月3日付 中外日報
住民らの願いを託し、放射能除去のために配布される花の苗。小さな1株が希望へと育つことが期待されている(「花に願いを」ホームページから)
「花に願いを」ホームページから

花を咲かせ汚染除去

嘆くだけでは解決しない

原発事故で汚染された表土をはぎ取る除染によって、空間放射線量が70~80%下がったという環境省のデータがある。メディアでも紹介された福島市の曹洞宗常円寺・阿部光裕住職(47)による汚染土仮置きの取り組みに呼応するかのように、例えば福島県伊達市でも市民が仮置き場を見つけては市に提案するケースが増えたという。

阿部住職は、住民や地元のさまざまな団体関係者と共に「花に願いを」プロジェクトチームを立ち上げた。その中で、やはり土地の放射能を少しでも軽減するためにヒマワリやケイトウといった花々を皆で植える運動を展開している。

放射性セシウムなど低レベルの汚染除去に効果があるとされ、「ヒマワリ1本で2千ベクレル吸収するとのデータがあります。少しでも、何もしないよりずっといいし、畑が耕作できなくなったが花が育つことで希望が持てたという声もあります」と住職。

境内や協力してくれる檀家、市民の土地などに苗床を設け、当初「県民1人に10本で2千万本」を目標に苗や種を配ったり、グループで空き地へ植えに出向いたりした。昨年夏までに半数を達成、福島や伊達市内に大輪の花が咲き誇った。

秋からは菜の花を主にし、「日本全国に願いが広がるように」と、目標を国の人口の「1億2千万本」に。「この春には、黄色い美しい希望の花を咲かせたいものです」と言う。