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苦縁―東日本大震災 寄り添う宗教者たち
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いのち寄り添う ― 大震災 苦の現場から

原発さえなければ 14(1/3ページ)

2012年3月31日付 中外日報
住民から預かった汚染土をドラム缶に密封する僧侶やボランティアたち(福島市の常円寺の所有地で)=同寺ホームページから
住民から預かった汚染土をドラム缶に密封する僧侶やボランティアたち

地域で除染、不安減らず

目前の脅威に身をなげうつ

寺の境内の裏山を上った空き地に、青い特製のドラム缶がずらりと並ぶ。中には、住宅地や市街地の通学路などで放射性物質の除染のために地表からはぎ取った土砂が大量に詰まっている。

福島市東部にある曹洞宗常円寺の阿部光裕住職(47)は、福島第1原発の事故で被害に遭った住民たちの不安を少しでも和らげようと、除染した汚染土を寺で預かり、厳重保管する取り組みを続けている。原発からかなり離れていても放射線量が高い地域では、国や自治体による除染がなかなか進まず、個人の住宅などではなおさらだ。

幼い子供への影響などを心配する住民たちは、仕方なく自前で除染し、スコップで表土を削ったりしているが、汚染土の持って行き場がない。そこで阿部住職が「原発の是非問題もあるが、まず目前に脅威があるのだから何とかしなければ。身をなげうって困難を引き受けるのが僧侶の務め」と、昨年6月に引き受けることを決めた。

細心の注意を払った。裏山は民家から200メートル以上離れている。容器は、技術者が開発した腐食しない合成樹脂製の「除染太助」と名付けた専用ドラム缶だ。密閉性が高くて流出の心配がなく、計画を周辺住民に説明して回った際も反対意見はなかったという。

3月までに約3千平方メートルの広さに計70本余りがたまり、測定したところ、缶に封入前の汚染土は毎時5・9マイクロシーベルト程度あったのが、密閉すると蓋の上で1・6マイクロまで下がった。