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苦縁―東日本大震災 寄り添う宗教者たち
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いのち寄り添う ― 大震災 苦の現場から

原発さえなければ 12(1/3ページ)

2012年3月27日付 中外日報
毎夕に住職が突く岩屋寺の梵鐘。残った檀家や地域の人々の心の支えにもなっている(福島県南相馬市で)
毎夕に住職が突く岩屋寺の梵鐘

支えられ生かされている

「仏教は縁の宗教」実感

福島県南相馬市の曹洞宗岩屋寺の東堂、星見全英・前住職(75)は地震から1週間後、遠く離れた北海道七飯町の寺で一晩中涙が止まらなかった。「千の風になって」の曲が生まれたことで知られる町で、6年前に岩屋寺を引退後、行き来する所。原発事故で福島から避難してはきたが、南相馬の火葬場で津波犠牲者が供養もなく焼かれていることが分かった。

「亡くなった方が呼んでいる」。弔いを願っているはずだ。「坊さんとして、逃げていたらばちが当たる。行かねば一生悔やむことになる」。戻って供養するのが自分の存在の「生命線」だと確信に至った。

岩屋寺は事故直後から、千軒の檀家ともども不安に突き落とされた。退避指示で住民がいなくなった中、長男の泰寛住職(46)は父の全英・前住職や妻子を避難させ、住民の世話にぎりぎりまで残った。だがそのままだと父が戻ると言いかねず、隣家の要介護の高齢女性を連れて行く必要もあって、県内の会津若松に避難した。

そして泰寛住職もやはり罪悪感で眠れず、後ろ髪引かれる思いでいると、前住職が帰ってきた知らせが入った。結局、父子で先に斎場へ読経に入っていた泉龍寺の石川信光住職に合流した。