ニュース画像
多くの人が見守る中、彰義隊墓所で盛大に営まれた150回忌法要
主な連載 過去の連載 エンディングへの備え
苦縁―東日本大震災 寄り添う宗教者たち
購読のお申し込み
新規購読キャンペーン
紙面保存版
トップ> いのち寄り添うリスト> 原発さえなければ 1
いのち寄り添う ― 大震災 苦の現場から

原発さえなければ 1(1/3ページ)

2012年2月21日付 中外日報
吹雪の中、放射線量が高濃度の長泥地区。全村避難で畑やハウスは放置され、家々は閉ざされたままだ(福島県飯舘村で)
吹雪の中、放射線量が高濃度の長泥地区

村にいのちの気配なく

屋内で息潜め耐える住民

車の前方の視界が真っ白になった。本格的な寒さにはまだ間があるというのに、昨年の晩秋に訪れた福島県飯舘村の長泥地区は吹雪だった。山間の小集落は、どの家も戸や窓を固く閉ざし、田畑は荒れ果てて茂った雑草が枯れている。

東京電力福島第1原発の事故で計画的避難区域に指定され全村が移転を余儀なくされた飯舘村でも、南部のこの地区は原発に近く風に乗って飛来した放射性物質が山に突き当たって降下したため汚染度がとりわけ高い。

外へ出ると、スマートフォンより一回り大きい手元の放射線量計の数値が毎時17・62マイクロシーベルトと、車内の倍近くに跳ね上がった。雪で曇ったディスプレーを拭い、線量計を地表に近づけると最高で同68・72マイクロシーベルトを計測した。

年間換算すると約602ミリシーベルト。厚労省が今年1月に新たに施行した規則による除染作業などの従事労働者の被ばく許容限度量は5年で100ミリ、1年間では50ミリシーベルト以下だから、それをはるかに超える。