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苦縁―東日本大震災 寄り添う宗教者たち
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いのち寄り添う ― 大震災 苦の現場から

死と向き合って 3(1/3ページ)

2012年1月19日付 中外日報
仮本堂で勤行する大萱生知明さん。ここが檀家の心の復興の拠点だ(岩手県大槌町、江岸寺で)
仮本堂で勤行する大萱生知明さん

葬儀が心の区切りに

普段の付き合いが重要

焦土となった現地での再建を決めた岩手県大槌町の曹洞宗江岸寺だが、その負担は絶大だ。壊滅した本堂は立派な構えだった。檀家も半分が被災し、寄付どころか護寺会費もしばらくは集められない。津波を教訓に市街地を2、3メートルかさ上げする案が町で検討されているが、墓地の一部が埋まってしまう。

大萱生良寛副住職(53)と弟の僧侶知明さん(46)の背中を復興へと押したのは、人々との縁、つながりだった。

本堂解体の前日、地震から4カ月の7月11日に境内で合同追悼法要を営んだのがスタートだ。町民ら600人が参集し、全国から宗派を超えて集まってくれた50人の僧侶が、炎天下に黄色やえんじ、緑と色とりどりの袈裟を着けて整列した。

響く読経の中、良寛副住職が犠牲者千人の俗名を読み上げる。それぞれの名前に刻まれた一人一人の生。参列者たちの思いが夏空に立ち上っていった。

知明さんは、毎日何件ものつらい葬儀が続き、「自分が何をしているのか訳が分からなくなる」ほど心身がすり減った時、檀家から「和尚さんたちだけが頼りだ。倒れんなよ」と励まされた。また涙が出た。