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妙心寺地下に巨大貯水槽 文化財防災で

2017年1月11日 16時24分

臨済宗妙心寺派大本山妙心寺(京都市右京区)で、万一の火災時に消火ばかりでなく周囲の建造物にも放水して延焼・類焼を防ぐなど、エリア全体で文化財を守る総合防災システムが完成しつつある。文化庁による初のパイロット事業で5年前に着工し、10月竣工予定。各派本山などの防災モデルケースになりそうだ。

主要事業は①貯水槽を新設して水源を確保②本山(玉鳳院と微妙殿を含む)と山内塔頭36カ寺に放水銃や消火栓を新設③自動火災報知ネットワークの構築――の3点。

貯水槽は、宗務本所前の駐車場、北門東側、微妙殿西側、韶陽院跡北側の4カ所に埋設し、計2700トンの上水を常備。それに大庫裡南側にある従来の貯水槽300トンを加え、常時3千トンの防火用水を確保する。

境内全域に専用の配水管を埋設し、停電してもガソリンで稼働するポンプで約50分間の一斉放水が可能になる。仮にどこかの塔頭寺院が出火した場合、全焼する時間は約20分と考えられ、その間に類焼を防ぐ。また出火時には瞬時に全塔頭に報知されるシステムが整えられる。

文化庁の防災に関する補助対象は、国宝・重要文化財を所有する寺院などに限られるが、寺院が密集する境内で出火すると、文化財のみを守ろうとするのは難しい。今回の事業は全塔頭寺院が補助対象になり、約10万坪(33ヘクタール)の境内を一つの地域とし、文化財を守る新たな発想で行われている。(詳細は2017年1月11日号をご覧ください。中外日報購読申し込み