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「ゆとり教育」を進めた元文部官僚 寺脇研さん(64)(1/2ページ)

2016年9月21日付 中外日報(ほっとインタビュー)

“教育臨調”の流れは不変

学習指導要領改定でも、改めて脱「ゆとり教育」の方向が打ち出された。批判の矢面にさらされてきた元文部官僚は、教育行政のこの流れをどう考えるか。

(津村恵史)

元文部官僚 寺脇研さん

1952年、福岡県生まれ。文部官僚として広島県教育長、大臣官房審議官、文化庁文化部長を歴任し、退官後は映画評論で活躍。京都造形芸術大教授、高校生学習支援の「カタリバ」大学学長。

「ゆとり教育」推進の先頭に立ってこられましたが、そもそも、それは何だったんでしょう。

寺脇この言葉はマスコミの造語ですが、生徒の自主的な学習を重視し、それぞれの能力・適性を育てるのが狙いですね。過去形で葬るものではなく、教育行政は今も基本的にその延長上で展開されていると思います。

要するに、学校中心、教師中心の「教育」から、生徒中心の「学習」です。私は現役の官僚時代、「文科省がなくなるのが一番いい」と言ってきました。教育行政がなくても生涯自由に学べ、それによって社会が良くなる状態が最も望ましい。現実にはそうではないから、文科省も存在するわけですが、「まずお役所ありき」「規制ありき」の発想はありません。

1981年発足の臨時行政調査会(土光臨調)は、規制緩和、官から民へ、中央集権から地方分権へという方向を打ち出しました。「ゆとり教育」もその大きな流れの中にあり、今も底流は変わっていない。新学習指導要領まとめ案が打ち出す「アクティブ・ラーニング」は、「ゆとり教育」の完成の意味を持つと考えています。

歴史的には、お寺なども学習の場の役割を果たしてきました。官から民、地方の活性化、地域コミュニティーの再生といった問題で宗教も大いに貢献できるんじゃありませんか。宗教者には無関係というような話じゃありませんね。例えば、学校週5日制ですから、お寺や神社が、土日に子どもたちが昔のように体験を通して自ら学べる場になればいい。その可能性を積極的に生かしてほしいですね。