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30年経て父の思い胸に

天台宗宗務総長 杜多道雄さん(72)

2017年5月10日付 中外日報(ひと)

杜多道雄さん

1944年、東京・谷中の法蔵院に生まれた。父は元宗務総長の杜多信雄氏。木ノ下寂俊・前宗務総長と同じく、親子2代で宗務総長を務めることになった。

信雄氏は86年1月に宗務総長に就任し、翌87年8月の比叡山宗教サミットの陣頭指揮を執るはずだった。だが病に倒れ、86年10月に死去した。

それから30年、今度はサミット30周年の記念行事を前に病気で辞任した木ノ下前宗務総長の代わりに、采配を振るうことになった。3月15日の就任記者会見では「一番無念だったのは木ノ下宗務総長のはず。目前に迫った比叡山宗教サミット30周年・世界宗教者平和の祈りの集いの成功に努力したい」と意欲を示した。任期半ばで大役を果たせなかった父と、木ノ下前宗務総長の二人の思いを胸に、30周年記念行事に臨む。

宗務では「人材育成(養成)」を最重要課題に掲げる。「寺院や僧侶を取り巻く環境は大きく変化し、僧侶に対する社会の目も厳しくなっている。そんな状況の中でも、人々から尊敬される僧侶の育成を目指さねば」と力を込める。

常に和顔愛語を忘れず、温和な人柄で知られる。慶応大経済学部を卒業後、三越に就職。呉服部に配属され、外商を経験した。

「就職後、現在の自坊・大泉寺の後継の話が起き、2年間しか勤めませんでしたが、僧侶となって、檀家さんやいろんな人とコミュニケーションを取るのに役立っているかもしれませんね」

座右の銘は「常精進」。「常に精進を忘れずに責任を果たしていきたい」と笑顔で話した。

(三宅翔士)