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熊本地震被災で僧侶へ

中央仏教学院新入生 玉春勇樹さん(34)

2017年4月19日付 中外日報(ひと)

玉春勇樹さん

浄土真宗本願寺派の僧侶養成機関・中央仏教学院(京都市右京区)の本科に今春入学した。昨年4月の熊本地震で被災した経験から、「地域に密着した寺院をつくり、ご門徒の方々など人々の心の拠り所をつくれる僧侶となりたい」との思いを胸に学院での学びに精進する。

熊本県益城町の同派浄恩寺の寺族。熊本地震が起こった時は東京でサラリーマンをしていた。震度7に見舞われた14日の前震の後、故郷が心配になり翌日に熊本へ帰省。16日未明に発生した本震で自坊が半壊した。余震の影響もあり、1週間ほど車中泊を余儀なくされた。東京に戻っても定期的に帰省し、地元の復興に力を注いできた。

サラリーマン時代は仏教と縁のない生活だった。しかし、子どもの頃から親しんだ教えを多くの人に広めたいと思い、数年前から僧侶になろうと考え始めていた。そんな中で被災を経験し、より一層僧侶になりたいと自覚するようになったという。

「学びの道に精進することを誓う」。13日に行われた2017年度入学式で新入生を代表し「誓いの言葉」を力強く読み上げた。学院では寮に入り、法式作法や浄土真宗の教えを基礎から学ぶ。

「これから僧籍を取得し、地域という現場に貢献できる僧侶となり、自分にできることから一つずつやっていきたい」。寺の復興に取り組む住職を務める父の背中を見つつ、被災地から改めて仏教の可能性を発信する。

(青山智耶)