ニュース画像
参列者が念仏を称える中、伊藤門主は1292霊の法名が記された御回向帳を1枚ずつ手繰った
主な連載 過去の連載 エンディングへの備え
苦縁―東日本大震災 寄り添う宗教者たち
購読のお申し込み
新規購読キャンペーン
紙面保存版

教えを身に宗門運営

西山浄土宗宗務総長 櫻井随峰さん(57)

2016年11月9日付 中外日報(ひと)

櫻井随峰さん

就任して1カ月が過ぎた。「法然上人、西山上人と続いてきた真実のみ教えを、しっかりと受け止め、宗門を運営していきたい」

新潟県魚沼市の出身。大阪府の公立中学校で教員をしていた時に知り合ったのが、後に妻になるさよさんだった。義父は、宗派を代表する布教師の橋本随暢さん。娘の結婚相手には得度を求めた。

結婚して初めて参加した1月24日の念仏行脚。総本山光明寺では行脚に先立ち、法然上人の本廟を長い石段の先に望む場所で読経する。たくさんの先輩僧侶に交じって、御影堂裏手の縁廊下に座った時、偶然にも真正面に本廟があった。上人の「ここに来なさい」という声が聞こえた。「耳ではなく、体で聞いた」と振り返る。

体験を話せば「よくも思い上がったことを」と言う人もいたが、随暢さんはしっかりと受け止め、「呼ばれたら、僧侶になるしかないな」と。

「お任せしていれば、阿弥陀さんが解決してくれる」とよく口にした。前向きな姿勢は強い信仰に裏打ちされていた。その後、櫻井さんは教職を辞め、光明寺で随身することになった。

先月1日の就任式で、堀本賢順法主は「念仏者は仏様と強い絆で結ばれ、どんなことにも邪魔されない力が備わる」と説いた。仏教界には、寺離れや少子高齢化などの波が押し寄せるが、宗門の将来を語る櫻井さんの表情は明るい。座右の銘の第一は、この世に弥陀の本願より強いものはないという意味の「本願最為強」。師父と同様、仏に支えられながら重責を担う。

(丹治隆宏)