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教学・勤式・布教が重要

浄土真宗本願寺派中央仏教学院院長 北塔光昇さん(66)

2016年6月1日付 中外日報(ひと)

北塔光昇さん

浄土真宗本願寺派の僧侶養成機関・中央仏教学院(京都市右京区)の院長に4月1日付で就任した。「教学・勤式・布教の三つを押さえた僧侶を育てたい」と語るが、その思いの背景には僧侶を取り巻く厳しい環境への危機感がある。

自坊は北海道旭川市の正光寺。宗門の学階の最高位・勧学として北海道教区の僧侶研修の指導にも関わってきた。葬儀の簡略化の傾向を踏まえて同教区では近年、葬儀の研修に力を入れているという。

「北海道では通夜で必ず法話をする。しかし、直葬など葬儀の簡略化が進むことは教えを伝える場がなくなることを意味する。その現状に皆が危機感を抱いている」

簡略化の影響はそれだけではない。「以前は数人の僧侶で葬儀を執行していたが、現在は一人で勤めることが多い。私の自坊では、約9割の葬儀が一人になった。本来は二人必要な七条袈裟の着脱を一人でする努力や、入堂の仕方など荘厳な儀式の主宰をどうするのかも一人で工夫しなくてはならない」

だからこそ僧侶は教学・勤式・布教を習得する重要性を再確認する必要があるとし、「逆に言えば、この三つをしっかりと押さえておけば、どんな世の中になっても対応できる」と強調した。

京都市下京区の役宅で暮らすが、毎朝7時の学院のお朝事を学生と勤め、寮で朝食を共にする。「学生同士が助け合い、お互いを大切にする姿がありがたい。個人主義の風潮が強い現代では珍しいことではないか。学院の伝統でしょう」と目を細め、「私もここで一緒になって学んでいきたい」と話した。

(池田圭)