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宗教文化の生涯教育 宗教文化士誕生から5年

2016年10月12日付 中外日報(社説)

大学教育を中心とした宗教文化教育の促進を目指して宗教文化教育推進センターが設立されたのは2011年1月だった。宗教文化士という新たな制度ができ、認定試験が同年の11月から始まった。

以後毎年2回試験が実施され、今年の6月に10回目が行われた。これまでに宗教文化士の資格を取得した人は250人近くに上る。当初は国立私立合わせて八つの大学が参加校であったが、現在は15校に増えていて、さらに増加する見込みのようである。

この資格は有効期間が5年なので、更新制度が設けられている。定められた課題に従ってリポート提出などをすることで、上級宗教文化士の資格を取得できる。これは終生の資格になる。

センターが目指しているのは、検定制度とは異なる、いわば生涯学習のシステムの一種といえる。というのも宗教文化士の資格を取得した人には、年4回メールマガジンが無料で配信される。メルマガには各種のお知らせの他に、最近の国内外の宗教関連のニュースが解説付きで紹介されている。

編集製作はなかなか大変な作業に思えるが、このシステムが可能になっているのは、メルマガの内容が同センターの協定機関となっている宗教情報リサーチセンターの機関誌『ラーク便り』をベースとしているからである。

『ラーク便り』では3カ月ごとに宗教専門紙、一般紙に掲載された国内外の宗教記事を紹介している。日本や世界で話題になっている宗教関連の大きなニュースをほぼ網羅している。

この記事から、さらに宗教文化教育に関連すると思われるものが選択され、センターの事務局のスタッフが解説を付してメルマガに掲載しているという。

グローバル化した時代に生じる宗教関連のニュースはなかなか複雑である。国境を超えた出来事が無数にある。それらに目を配っていくとすれば、多くの時間を費やし、多様な情報ツールにアクセスしなければならない。しかしこうした形で情報が整理されると便利である。

宗教文化士が何に役立つのかとなると、例えば語学関連の資格のような、すぐ対応するものを挙げるのは難しいかもしれない。しかし、グローバル化する世界で宗教がどのような姿を取っているのかを、大まかにでも把握し、理解しようとする若い人が増えていくことは、いまや極めて重要だ。

来年3月には上級宗教文化士が誕生することになる。生涯にわたる学びのシステムの実験例としても今後注目したい。