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苦縁―東日本大震災 寄り添う宗教者たち
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余震続く熊本 一日も早く平穏な生活を

2016年4月20日付 中外日報(社説)

14日に始まった熊本地震の余震が今なお続く。死者・安否不明者約50人、負傷者はおよそ1100人で、多数の家屋が損壊し、最大時10万人以上の人たちが自宅を離れて不便な避難生活を余儀なくされる状況だ。犠牲となった方々を悼むとともに、水や食糧の不足、トイレの問題など深刻な悩み・苦しみに直面している被災者の皆さんが一日も早く平穏な生活を取り戻せるよう、心から祈りたい。

この地震では14日夜のマグニチュード(M)6・5、最大震度7の前震に続き、16日午前1時25分にはM7・3の「本震」が発生した。テレビやインターネットではその後も頻繁に強震の情報が流れ、その都度、被災地の人々の不安に心を痛めた人も多いだろう。

M7・3は阪神・淡路大震災と同じレベルという。しかし、相次ぐ余震の発生、現地の被災状況など、阪神・淡路や東日本大震災とはかなり異なる。強い揺れの回数、震源の位置の特異な変化等、気象庁は「観測史上、例がない」と説明するが、大規模自然災害の科学的なデータ蓄積の歴史がまだまだ浅いことを改めて思い知らされる。一体何が起こりつつあるのか。今後の状況の変化にも最大限の警戒が必要だ。

テレビでは各地域の避難所で身を寄せ合う被災者の様子、崩れた熊本城石垣や倒壊した阿蘇神社の拝殿等、被害の大きさを物語る映像が流れる。寺院・神社・教会などの被災状況は各宗派・教団に届きつつあるが、被害の全貌はまだ十分明らかではない。

熊本県庁では18日現在、災害ボランティアの募集を準備中だ。各宗派・教団や様々な団体からの支援の動きもこれから具体化してくることだろう。強い余震が続く中で、現地の寺院、神社などが被災者救援でどのような役割を果たせるのか。東日本大震災、新潟県中越沖地震や阪神・淡路大震災とは条件も異なるが、宗教者をはじめ多くの市民からの支援が、被災地が復興へと歩む力強い支えとなる。

ところで、日本の歴史はある面から見ると大規模な自然災害の歴史でもある。大地震・大津波はこれからも繰り返し起こることは間違いない。自然の暴威の被害を最小限に抑えるための知恵が問われる。「人災」の危険性を除くことは特に重要だ。

東日本大震災では福島原発事故が被害を一層悲惨なものにした。原発再稼働は政府の方針だが、二度とあのような事態を招いてはならない。熊本地震を私たちは改めて自然の警鐘として受け止める必要があるのではないか。