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名称変更の意図は? 事件の本質を忘れるな

2015年10月2日付 中外日報(社説)

近代に新しく形成された教団が、比較的短期間でその名称を変えることは、さほど珍しくない。しかし、社会的に批判を浴びたことのある教団が名称を変えるような場合には、その背景についても少し注意して考える必要がある。

例えば法の華三法行だ。創始者である福永法源は詐欺罪で有罪となり、12年の懲役となった。しかし昨年刑期を終え、法の華三法行の後継団体であることが明らかといえる「天華の救済 宇宙・みらいグループ」に関わっている。

一時期、霊感商法や合同結婚式などにより社会の注目を浴び、カルト問題に関わる弁護士などからは今も非常な警戒をもって見られている世界基督教統一神霊協会(統一教会)は、今年8月に世界平和統一家庭連合と名称を変えた。

この名称変更は、教団の発祥の地である韓国における名称の変更に対応したものではある。ただ統一教会問題に取り組んできた人たちは、世界平和統一家庭連合が、統一教会とは別の組織として受け止められる可能性があることを指摘している。

オウム真理教は2000年に公安審査委員会がオウム真理教に対する3年間の観察処分を決定した直後に団体名をアレフと改称した。アレフからはさらに「ひかりの輪」が分派したわけだが、アレフは最近、勧誘活動が積極的になってきているとされる。札幌施設などは着実に信者が増えている。若い世代を含めて、比較的幅広い世代にわたる新たな入信者がいることも分かっている。松本サリン事件や地下鉄サリン事件などが、遠い過去の話になりつつあることが関係しているのかもしれない。

こうした事例に対して、カルト問題に関心を持つ研究者や宗教家は強い関心を示し、動向を見守っている。だが、それ以外の宗教研究者や宗教家は、これらの事実をどれほど認識しているだろうか。

オウム真理教に関しては最近、宗教情報リサーチセンター編『〈オウム真理教〉を検証する―そのウチとソトの境界線』(春秋社)という書が刊行された。麻原彰晃はむろん、元信者、死刑囚、脱会者などの発言が数多く引用されている。また、地下鉄サリン事件で夫を亡くされた高橋シズヱ氏の寄稿も収める。同書を読むと、この問題が決して記憶から遠ざかるままにしておいてよいものではないことが分かる。アレフはまさにこの後継団体である。

ともすれば、名称が変わると、あたかも団体の性格が変わったかのような印象を抱きがちであるが、実際の活動そのものを見据える姿勢が重要である。