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安保法案への危惧 多方面の反対を無視するな

2015年8月19日付 中外日報(社説)

安倍内閣が提案している安全保障関連法案は、憲法違反の疑いがあり、なし崩しに日本を戦争へと導こうとするものだとの批判が高まっている。批判の声はあらゆる方面から聞こえてくる。安保関連法案に反対するママの会、安全保障関連法案に反対する医療・介護・福祉関係者の会といった会も立ち上がっている。

安全保障関連法案に対して、映画関係者らでつくる「映画人九条の会」が出した「私たち映画人は『戦争法案』に反対します」と題するアピールに賛同する映画人は女優の吉永小百合さん、大竹しのぶさん、監督の是枝裕和さんなど、7月16日の発表では446人に達したという。

安全保障関連法案に反対する学者の会は7月末の段階で、賛同する学者が1万3千人近く、賛同する市民は2万6千人を数えている。全国の大学からも「有志の会」等のアピールが数多く寄せられている。多くは7月16日の衆議院での強行採決を機に公表されたものである。

例えば、浄土宗系の佛教大から発せられた「安全保障関連法案の廃案を求める佛教大学教職員有志の声明」は①廃案の要求②立憲主義の重要性③違憲の集団的自衛権行使の問題性と議会軽視④行動指針(アジェンダ)――を記したもので、試験期間中の学生にアピールしたという。

また、キリスト教(聖公会)系の立教大からは「安全保障関連法案に反対する立教人の会」により、「もう二度と、学生たちに武器を取らせず、戦地に赴かせないために、私たちは、安全保障関連法案を廃案にすることを求めます」との声明が公表されている。7月末の段階で賛同者が500人を超えたという。

共同通信の世論調査では、与党が16日の衆院本会議で、民主党など主な野党が退出した中で関連法案の採決を強行した点については、自民党支持層の49・1%、公明党支持層の72・2%が「よくなかった」と答えたという。また、安倍政権が今国会成立を目指す安全保障関連法案の政府説明に関し、公明党支持層の94・2%が「十分に説明しているとは思わない」と回答したという。

自民党や公明党の支持層には宗教関係者が多いと思われるが、その人たちも安保法案に納得していない様子がうかがわれる。少なくとも、この法案をめぐる強引な政治手法を妥当とは見ていない。立憲主義を軽視すると批判された政府・与党が、国民の信頼を回復するのは容易なことではないだろう。