ニュース画像
多くの人が見守る中、彰義隊墓所で盛大に営まれた150回忌法要
主な連載 過去の連載 エンディングへの備え
苦縁―東日本大震災 寄り添う宗教者たち
購読のお申し込み
新規購読キャンペーン
紙面保存版

2014年の宗教界 宗教の動向もグローバル化

2014年12月24日付 中外日報(社説)

今年は海外で注目しなければならないことが多く起こった。昨年3月に就任したローマ教皇フランシスコは積極的な対外活動を展開した。その基本姿勢は「リアル・ポリティクス」との評がある。4月には英国のエリザベス女王と初めて会談。5月には、中東歴訪中にベツレヘムの難民キャンプや分離壁を視察し、壁に額をつけて祈りを捧げた。8月には日本より多くの信者がいる韓国を訪問した。この時、教皇を乗せた特別機が中国領空を飛んだことも注目すべきであろう。中国は1951年にバチカンと断交し、以後両者に交流はないからである。

イスラムに関しては、イスラム国とボコ・ハラムの問題が関心を呼んでいる。「イラク・レバントのイスラム国(ISIL)」と称していたイスラム組織は、6月29日に国家の樹立を宣言し、「イスラム国」とすると発表した。11月には独自の通貨を発行することを発表するなど、国家としての体裁を整えようとしている。

ムスリムの多い東南アジアだけでなく、ヨーロッパからもイスラム国に参加する若者が少なからず出ていることに、ヨーロッパ社会は強い衝撃を覚えている。

ナイジェリアで結成されたボコ・ハラムは、4月には200人以上の女子生徒を誘拐するなど、国際的に批判されるような活動を続けている。紛争においては、常に女性が過酷な運命にさらされることを鮮明に示している。

パキスタンのマララ・ユスフザイさんがノーベル平和賞を受賞したが、今年は世界の宗教界で、女性の地位向上への動きが目についた。2月にはエジプトの立憲党党首にコプト教徒で女性のハーラ・シュクラッラー氏が就任した。7月には英国国教会が総会で、女性主教の就任に関する議案を3分の2以上の賛成で可決した。

国内では幸福の科学大設置不認可の問題が大きな話題となった。幸福の科学は千葉県長生村に施設を用意し3学部からなる大学の設立を文部科学省に申請したが、10月末に不認可の決定がなされた。幸福の科学総裁の大川隆法氏の霊言に基づく教育という点などが問題視された。ただし、この文科省の不認可の理由は他の宗教系大学に波及するようなものではない。

グローバル化が進行した現代では国外における宗教に関わる出来事も、国内問題になってくる割合が増えている。イスラム国の場合も、同国へ渡航を希望する日本人学生もいたことが判明した。世界の宗教動向をこれまで以上に注意深く見渡しておく必要を感じさせる年であった。