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苦縁―東日本大震災 寄り添う宗教者たち
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海外からメッセージ 被災者と共苦の連帯

2011年4月21日付 中外日報(社説)

ジブチやガボンという国について私たちはどれほど知っているだろうか? 東日本大震災で、「日本国民との連帯」の催しをし、小学生らが見舞いのメッセージを送ってくれた国々だ。

干ばつ続きで栄養失調に苦しむケニアの寒村では、農民がやっと収穫できた豆を「被災者に役立ててほしい」とJICA関係者に差し出したという。

世界の人々が、日本の被災者とこの国のために心を配り、その輪はなおも広がっている。

筆者はいち早く地震翌日、目を覆うばかりの惨禍を伝える新聞紙面で、インド・アーメダバードの少女たちが「JAPAN  WE  ARE  WITH  YOU」のメッセージと灯火を手に祈る一枚の写真を見て、胸が熱くなった。

直前に大地震のあったニュージーランドから救助隊、モンゴルでは全国家公務員が給与1日分を義援金に寄付。ヨーロッパ各地で募金が続き、米国ワシントン大聖堂では諸宗教者による祈りの集いが開かれた。

もちろん米軍や各国政府、公的機関は強力な直接支援をしてくれた。日本政府は各国有力紙に感謝の広告を掲載したが、原発事故対応をめぐっては国際社会に批判も多く、「日本の主権を侵してでも収拾介入すべきだ」との意見まで見られた。

が、先に挙げたのは国家というより民衆レベルの支援の輪である。チェルノブイリやスリーマイルの住民からもメッセージが発せられた。歴史的経過からなお「日の丸」に複雑な心情を持つ人も多いアジア、中でも韓国で、激励の意味を込めてソウルタワーに「紅と白」のライトアップが行われた。

また震災前まで「尖閣諸島」問題で関係が悪化していた中国でも救援物資が募られ、「敵視」してきたイランからは赤新月社を通じて食料や医薬品の援助が寄せられた。

私たちは思いやりによって分かり合えるのだ。この心配りを決して忘れてはならない。それらは、「恩」というより「共苦」だ。そこには、「利他」を旨とする仏教、「隣人愛」で結び合うキリスト教などの世界宗教と同じように、国境を越え海を隔てつつ手を結び合う人間同士の心の連帯がある。

振り返って今、惨禍が続くリビアに、パレスチナのガザに、コートジボワールに、「苦」が広がっている。私たちはそこにどれほど心を寄せることができているだろうか。